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昼と夜

山と川に囲まれた工業都市に行った。ある会社の企業城下町で、その会社の工場だらけ。

ひとつの工場を見学させてもらった。大企業の工場なのに鉄工所のような雰囲気で、若い女の子が、ヘルメットを被って力仕事をしていた。何かをガンガン叩いたり、溶接したり。でもその子たちは、その会社の社員ではなく、協力会社(いわゆる下請)の社員らしい。

夜、その企業の人に連れられて、飲みに行った。人口はそんなに多くない地方の中都市なのに、飲み屋の数がやたら多い。銀座にありそうなクラブ(というかスナック)の袖看板だらけ。ちょっと多すぎないですか?、と案内してくれた人に聞いたら、この街の女の子はうちの会社で働くか、飲み屋で働くか、どっちかやね、と冗談とも本気ともとれる答えだった。

そのなかの一つの店に入った。その店にいた童顔のおねえさんが、コーヒー牛乳みたいなのを飲んでいたので、未成年だからそんなん飲んでるの?、と聞いたら、私もう25で子供もいるよ、とのこと。子供の父親とは、妊娠中に別れて、結婚しなかったらしい。親も反対しなかったと言うので、親も立派だねと言った。その女の子は、昼間はパチンコ屋で働き、夜はこの店で働いているらしい。たいしたもんだ。おかあちゃん、頑張れ。茶髪の巻き毛のおねえさんでも、話が合う人もいるんだと分かった。

はしごをした。話をしたおねえさん達に、どこの出身かを聞いたら、みんなこの街の出身だった。この街の子はどこで遊んでるの、と聞くと、全員があるスーパーの名前を言った。だって他になんにもないでしょ。他には、隣の街の悪口(ヤンキーの溜まり場)を聞いたり。

想像力を広げてくれた、いい出張でした。でも、帰りの飛行機は強風で揺れに揺れて、死ぬかと思いました。
by tuscanycafe | 2008-04-09 23:21 | 旅に出る
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