結婚してすぐに住んでいた街には、年に一回ジャズ・フェスがあって、その期間中は、街中のレストランや喫茶店やホールで、ジャズのライブを聴くことができた。
僕らは共通券を買い、自転車に二人乗りをして、あちこちの会場をはしごして回った。ジャズにそれほど興味のない妻は、あちこちで居眠りをし、何度も椅子から落ちそうになっていた。僕らはあとからそれを思い出しては大笑いした。 あの街には、当時いんちきな美術商(?)がいて、印刷されたアート・ポスターを綺麗な額に入れて、「これはサインが入ってないけど本物よ」とか言って売っていた。いったいどこがどう本物で偽物とはどう違うのか、それは分からなかったけど、僕らはその店が好きで、よく二人乗りをしてポスターを買いに行った。値段は、普通の額入りポスターとしてリーズナブルだったと思う。 さっき二人乗りの自転車とすれ違って、そんな頃を思い出した。できればあの街にはまた住んでみたいと思う。
by tuscanycafe
| 2008-10-13 23:15
| 暮らす
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