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いきしに

昔お世話になった方が亡くなった。聞いたときには信じられず、今でも感覚としては信じられない。たぶんお葬式に行って遺影を見るまで、実感はわかないと思う。

それを聞いたときは、仕事の打ち合わせの途中で、そのあと一瞬なんの仕事の話をしていたのか思い出せなかったが、思い出してからはそのまま打合せを続けることができた。

人の生き死にというのは、この世の中では何物にも勝る重大事のはずなのに、そうやって仕事を続けられるのは不思議に感じたが、実際には皆そうやって仕事を続けるし、談笑したりもする。

一人になってから、ふと思い出してその方のことを落ち着いて考えると、涙も流れてくるが、そうでない限り、いつもの生活と同じだ。むしろ、一瞬の驚きが去った後は、人の目があると、不謹慎だから笑顔を見せてはいけない、という考えがよぎった途端に、小賢しい顔になってしまったりする。

亡くなったのが肉親の場合には、さすがにこんな余裕はないだろうとは思うが、それでももしかしたら、大事な仕事があれば、案外こういうふうに仕事を続けられるのかもしれない、とも思え、うんざりした。スポーツ選手の場合は、それが美徳として語られることが多いし、ビジネスマンにとっても本来は美徳なのかもしれない。でも、人非人のように感じてしまうのは、なんなのだろう。
by tuscanycafe | 2010-09-04 01:32 | 思う
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