少し前に読み終わった宮下奈都のベストセラーがとてもよくて、こういう作品がベストセラーになるのはよいことだなと思う。言語にならない空気、匂い、湿気、温度、音。それらを感じることの大切さを実感させてくれるような話だった。そしてそういうものが個人的な経験にとどまらず、仕事や人生にも生きてくることを。
たぶん前にも書いたことがあるが、家から最寄り駅までの間に小京都のような短い道があって、僕は毎朝必ずそこで立ち止まって木々を眺める。どんなに急いでいるときでも5秒くらい、そうでなければもっと。そこで木々を見上げて呼吸をすると、明らかに生気が体のなかに戻るのを感じるし、わくわくするような強い感情がお腹のあたりから胸のほうに湧き上がってくることもある。マイナスイオンなのかパワースポットなのかは分からないが、はっきりとそれを感じる。 今日は久しぶりにギターを持ち出して、昔練習した曲を少し掻きならしてみたりした(High and Dryとか)。ギターの生の音もまた、録音されたものとは違い、体を浄化するような作用を感じて、そういうことに昔よりも敏感になっているのに気づく。この文章を書いているうちに、BGMがたまたまSigur Rosになり、昔はそれほど惹かれなかった彼らの音楽が今体に沁みるように感じるのも、同じ傾向かもしれないと思う。 こういうこと全部と、この小説から伝わってくることは、地続きなんじゃないかと思った。
by TuscanyCafe
| 2018-05-13 22:59
| 暮らす
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