今更ながら「さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ」を読んだ。

今更ながら、永田カビ「さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ」という漫画がすごいと思う。下手な純文学を読むよりも、よほど人間のことが描かれている。作者が10年間自分自身に苦しめられたあと、いくつかの大きな発見をし、解放されてゆく話。なのかな。実はとても深刻な話なのに、絵のタッチが明るくて読みやすい。そして作者の実体験がおそらくとても正直に書かれているので、すごく心に響く。パン屋の面接のシーンや、主人公が解放されていく過程を読みながら、電車のなかで僕ももらい泣きをした。二度目を読んでも同じだった。

僕は筆者が閉じ込められたのと同じ檻には入ったことがない。親のご機嫌を取らなければいけないという強迫観念もなかったし、性的な欲求は抑え込まなければいけないと思ったこともなかったし(というと嘘になるか、かっこつけて隠す傾向はあった)、物理的な自傷行為はしたことがなく、そこそこ大切にはしてきたと思う。それでも、心に響くところが少なくなかった。自分に当てはめると、無意識に属する組織のご機嫌を取ろうとしている自分がいたり、自分自身よりも人との関係性に依存する傾向があったり。毎秒毎秒が苦しい、というのは僕も経験がある(ここまで長期間ではなかったが)。また読み返せば、他にも共鳴するところが見つかると思う。

とにかくとてもよいので、一読をお薦めします。実は壮絶な話なのに、楽しく深く読めてしまう漫画ってすごい。


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by TuscanyCafe | 2018-07-12 23:36 | 観る読む聴く | Comments(0)
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